人生にサプライズを!まこなりです。
ニーチェを学べば人生が変わる!
哲学を学べば最初に学ばざるを得ない、鉄板の有名哲学者、ニーチェ。
「神は死んだ」「超人」「力への意志」、まるで怪奇漫画のセリフにしか見えない中二病フレーズをこの世に残していった哲学の狂人、ニーチェ。
実は、ニーチェは私の師匠です。
私の人生に最も影響を与えた歴史上の人物は間違いなく岡本太郎さん。その岡本太郎さんが影響を受けたのが、また別の哲学者。そしてその哲学者が影響を受けたのがニーチェなんです。
最近、ニーチェについて学び直して驚いたのが、人間のあるべき生き方に対する最終的な結論が私と同じだったということです。
今回は、まず哲学をなめてはいけない!という話からスタートし、続いてニーチェ思想について解説していきます。
この動画を見終わる頃には、世界が全く違ったものに見えるように、熱く語っていきますので、ぜひご覧ください!
「思想」が世界を動かす
まず、あなたに必ず理解していただきたいことは、人間の世界で最も影響力があるのはお金でも権力でもなく、「思想」だということです。
思想、人の考え方、価値観です。お金も権力もそれに価値があるという思想によって生まれていますよね。皆が価値がないと思ったらすべて終わりなんです。
すべては虚構、目に見えないものですから。動物から見れば、日本もアメリカも存在しません。
人間と動物の違い
ワンちゃんをコンビニに連れて行って放置してください。何のためらいもなくおにぎりにかぶりつきます。ワンちゃんからすれば、コンビニも買い物も商品も、そんな目に見えない概念は理解できないんです。
存在しない、人間は目に見えない概念を信じることでここまで発展することができました。言い換えれば、どのような目に見えない概念を信じるかで生き方は全く変わってくるんです。
どのような目に見えない概念を持つか、それはまさしく思想です。
幸せを求めるための思想
多くの人はお金や権力を求めます。それらを手にすれば自分が幸せに生きられると信じています。お金や権力で解決できる問題は確かにあるでしょうけど、求めすぎてもキリはありません。
あなたが幸せに生きることを願うのであれば、人生に満足感を得たいのであれば、目指すべきは「思想」です。
自分の価値観に閉じこもる危険性
自分の価値観に閉じこもって不平不満を言い続けている人は、鍵のかかっていない自分の作った牢獄に閉じこもって「出してくれ」と叫んでいる人と同じです。
歴史に名を残した哲学者たちは人々に新しい価値観、新しい思想を提示した人たちです。
常識という名の凝り固まった人々の思想に「それは違うんじゃないか、もっとこう考えるべきなんじゃないのか」と問いかけた人が歴史に名を残した哲学者です。
ニーチェの哲学とその衝撃
そして、哲学界で最も衝撃的な価値観を残していった代表的な一人がニーチェ。
一言で言えば、早すぎた大天才。
ニーチェは幼少期から勉強がめちゃくちゃできました。作曲もできて、作詞もできて、センスも抜群。神童。20代半ばで学生から一気に大学教授になるという快挙を果たします。
推薦した教授からは「長い教授生活の中で、ニーチェほど優秀な人材は見たことがない」とべた褒めされています。
ニーチェの苦悩と転落
しかし、ニーチェのそこからの人生は何かに呪われたかのように転落していきます。
苦労して書き上げた書籍がまったく売れない。授業をやっても生徒から人気がない。周りから見放される。慢性的な激しい頭痛に襲われるようになる。発作的に目が見えなくなる。激しい腹痛。
大学教授も続けられなくなります。好きな人には振られる。そんなズタボロ人生の中でも、這いつくばって渾身の力を振り絞って書き上げたのが代表作『ツァラトゥストラ』。
ニーチェは思ったかもしれません。「なんて人生だ。周りの奴ら俺を馬鹿にしやがって。体調悪くてこんなに苦しいのに。でもこの『ツァラトゥストラ』は俺の渾身の一冊。
この本こそ絶対売れるはずだ!刮目せよ!」。
結局、売れなかった
しかし、結果はもちろん、ビビるほど売れませんでした。
ニーチェはもう自信満々で自分の『ツァラトゥストラ』を公表しています。「この本はね、人類に送られた贈り物の中で最大の贈り物だ」と。
しかも、気合を入れすぎて4部構成にしちゃったんですよ。やっちゃったんですよね。
バスケだったら1クオーターで30点差つけられたみたいな感じです。
売れなかった後の執念
普通、こんなに大ゴケしたらおとなしくするのが人間ですが、狂人ニーチェは違いました。
スピンオフのようなものを書き散らかしたんです。
僕だったら止めますね。ものすごい執念ですよね。そこからニーチェの精神は崩壊していきます。
精神病院に入れられ、最終的に梅毒を患って55歳で亡くなるんです。なんて人生だ。ただし、死後にニーチェの評価は高まり、世界中の人が取り上げるようになります。日本でもニーチェ関連の本がベストセラーになっています。
そういった意味では、ニーチェの自信は間違っていなかったんでしょう。
先進的すぎたニーチェ哲学
生まれた時代が早すぎたニーチェ
ただ、内容があまりにも先進的すぎて、生まれた時代が早すぎた。当時の時代を生きる人には受け入れられなかった内容でした。
しかし、ニーチェは未来を予言して的中させていました。
いつなら『ツァラトゥストラ』は受け入れられるのか?それは今です!
2000年代21世紀を生きる私たちは、ニーチェを学ぶべきベストタイミングだと断言できます。
「神は死んだ」
「神は死んだ」。神は死んだままだ。そして我々が神を殺したのだ。
哲学に触れたことがある人にとってはあまりにも有名な言葉。『ツァラトゥストラ』の一節で出てくる言葉です。
今の時代で考えると、「神が死んだ」どうした?中二病か?くらいにしか思えないんですけど、これはやばい一言なんですよ。当時、ニーチェが生きていた時代、最も勢いがあった宗教はキリスト教です。そんな中で「神は死んだ」これは売れないだろう。ニーチェ先生、攻めすぎ。
でも嫌いじゃないですけど。
見えない力に頼る時代の終わり
今の時代だったらディズニーランドのど真ん中で突然ミッキーマウスを批判するようなもんですよ。
神は死んだって何が言いたいかというと、もう宗教や見えない力にすがる時代は終わったってことです。
昔の人は病気は悪魔が取り付いたと考えて、雷は神様の怒りだと捉えました。今、科学文明が発達する中で、病気は医学で説明できるようになり、雷も自然現象として説明できるようになりました。
神のメッキが剥がれたんです。
ニーチェの時代で言えば、例えば天動説と地動説。世界は神が作った、地球中心に天が動いていると誰もが信じていたところに、太陽が中心に動いているという事実が明らかになってしまった。
科学の発達と宗教の変化
科学が発達する以前の時代は、神で魂、天使、悪魔、奇跡といった虚構で説明していた現象が、科学で説明できるようになってしまった。今の時代も大抵のことが科学で説明できてしまいますよね。
もし科学が発達していなかったら、世界的な感染症も「神々の怒りだ!疫病を下げないと、村人を生贄に捧げよう」みたいな非科学的な発想になっていたかもしれません。
キリスト教に対する批判
ニーチェはキリスト教に対してとんでもないことを言います。
「キリスト教は、強い奴らを妬んで自分を慰めたいだけだろう?」
なんてことを言うんだニーチェ…
キリスト教は、ユダヤ人が支配階級のローマ人に虐げられていた歴史の中で生まれます。そんな時代背景の中で、なぜキリスト教が生まれて支持されたのかというと、強い者は悪い、強くない私は良い、貧しい者こそ幸せになれるという価値観を広めたからです。
毎日苦しい思いをしていたかつてのユダヤ人からしてみれば、その苦しさに救いが欲しかったんです。
ニーチェが唱えた奴隷道徳
「右の頬を打たれたら左の頬を差し出せ」という言葉があります。
殴られても怒らずに受け入れることを美徳とするような教えを、ニーチェは「奴隷道徳」と呼びました。結局これは一つの解釈なので真実はわかりません。
確かに歴史的に宗教というのは弱い立場の人たちの中で爆発的に流行ってきたという事実があります。
全く無関係の他人である有名人のスキャンダルにあれこれ言って、ネット上でひたすら批判する人、SNSの誹謗中傷、なくなりませんよね。本来は自分も強者になろうと少し努力するのが健全なはずですが、自分は何も努力しなくていい。似たような弱者の集まりです。
インスタントに簡単に自分の価値を上げることができるんです。これからの時代も残念ながら誹謗中傷はそう簡単にはなくならないでしょう。
ニヒリズムと超人思想
奴隷道徳に囚われた人間の弱さ
ニーチェはこのような奴隷道徳にとらわれている人間は、人間本来の生き方ができなくなってしまうと言います。強くなる努力を怠り、卑屈になってはいけないんです。
簡単に言えば、生きる意味なんてない、生きる目的なんてないという考え方です。
もう「神は死んだ」。そんな世界はどうなってしまうのか?見えない力を信じられなくなってしまった世界で人々はどうなってしまうのか?
ニーチェは人々がニヒリズムに陥ると説明します。
末人の生活
末人とは、何の目標も夢もなく、ただ時間をつぶすだけの人生を送る人間のことです。
今の人生に満足しているわけじゃない、何かやる気も起きない、とりあえずの暇つぶしを続ける人生。
こだわりも何もなく、毎日適当に仕事をこなして、家に帰ったらダラダラYouTube、TikTok、インスタグラム、ネットフリックス、エンタメを見続けて、お酒を飲んで寝る。
ニーチェは「絶対に末人にだけはなるなよ」と、強く主張します。
では、どのようにすれば末人を避けるられるのか?
超人思想
ニーチェの答えは「超人になる」です。
ニーチェのいう「超人」とは、簡単に言えば自分の人生を肯定できる人のことです。
この言葉を正しく理解するためにもう一度「神は死んだ」という言葉に込めたもっと深いニーチェのメッセージを理解しておかなければなりません。
ニーチェが言いたかったことは、あらゆるものに対して揺るがない絶対的な価値観はないんだよってことです。
絶対的な価値観の崩壊
例えば、結婚して幸せになりますと誓い合った夫婦が日本では毎年40万人離婚します。恋愛だけじゃありません。
この仕事は最高の天職だと思っても、ちょっと会社の状況が変われば「こんな会社辞めてやる」となるでしょう。
絶対的な価値観、将来揺るがないもの、それは一瞬です。
そんなものがあるのは映画や漫画の世界だけです。
ある意味そういう揺るがないものに憧れるから映画や漫画を観るんですよね。そこに一つの生き方があるから、信じられるものがあるんです。でも現実は違うんです。
揺るぎないものに対する絶望
すべては幻想なんです。
すべては移り変わるものなのに、それを揺るぎないものだと確信していたらどうなるでしょう?
絶望します。
天動説が地動説に否定されたように、ずっと一緒にいると思っていたのに離婚する夫婦のように、片想いで振られた中3の私のように、絶望します。
絶対的な価値が失われた中で人生に意義を見出せないニヒリズムの世界が訪れる。そんな世界を見据えて、ニヒリズムに包まれた世界の中で人々が前向きに生きられるような哲学をニーチェが作ろうと考えた。
それを書き記したのが『ツァラトゥストラ』なのです。
ニーチェの哲学の目指すところ
ニーチェは世界を否定し続けていたわけじゃありません。
ニヒリズムに包まれるであろう人類に、夜明けを見せようとしたんです。
良くやってくれた、ニーチェ。
はっきり言っておきたいんですが、私はこの超人になるというニーチェの主張を100%支持します。もはや私の言葉と言ってくれても構いません。
超人になるためのステップ
ニーチェは超人に至るまでのステップを語ります。「ラクダ、ライオン、幼い子ども」という比喩で説明されています。
①「ラクダ」自分を鍛え上げて強みを獲得する。
②「ライオン」強みを武器にして自分のスタンスをはっきり示し、言いたいことを言えるようになる。
③「幼い子ども」自分の想像力に任せて無邪気に今この瞬間を肯定していける。
幼い子どもが目指すべき存在
簡単に言えば、自分の能力を磨いて十分自信を持って、毎日朝を迎えるように今を楽しんで生きるようになりましょうということです。
最後、超人の到達点が幼い子どもってめちゃくちゃ面白くないですか?私もあなたも目指すべきは幼い子どもなんですよ。
人間は生まれながらにして最大限に幸せな子どもは、いつも無邪気で今この瞬間を楽しんでいる。その無邪気さ、今この瞬間を楽しむことを忘れさせてしまうのは執着です。大人が執着や依存から解放されれば、またもう一度子どもになることができる。
マインドフルネスとアーティストの精神
結論「ニーチェ、俺やん」と。
今、この瞬間を肯定するというのはマインドフルネスの考え方でも同じです。想像力に任せて無邪気に活用するというのはいわばアーティストです。本当のアーティストは他人の評価ではなく、自分が何を訴えたいのか、自分の軸で作品を作ります。
「俺は誰が何と言おうとこれが面白いと思うからやる」という精神です。そこに至るためには、自分を鍛えて強みを獲得するところから始めなければいけません。末人のように毎日ぼーっとしていても、奴隷道徳に縛られて他者を妬んでも何も始まらないんです。